昔の常識は、今は非常識?
30年前、羽田空港から唯一海外へ行けたチャイナエアラインで、台湾へ行った時です。チェックインカウンターで並んでいると、後ろの台湾のおじさんから声をかけられました。自分の荷物は許容量を超えるので、1個を私名義としてくれないかということです。私の荷物は少ないので、「いいですよ」と言い、自分の荷物としてチェックインしました。受け取ったタグの半券はその場で、そのおじさんに渡しました。とても感謝され、小さな親切をしたことを満足しました。
しかし、今だったら絶対ダメですよね。知らない内に密輸の片棒を担ぐことになりかねません。でも当時は係の人もそんなことは言わなかったです。しばらくして、大韓航空爆破事件があり荷物を厳しくチェックされるようになり、また知らずの内に麻薬の運び屋となってしまった女性がマレーシアで死刑となり、他人の荷物を預かっては絶対にいけないと思いました。
また、当時の飛行機は喫煙可能でした。今でも座席上に、シートベルトサインと禁煙サインがありますが、禁煙サインは点灯しっ放しです。これなら必要ないように思いますが、実は昔は消灯したのです。シートベルトサインが消え暫くすると禁煙サインも消え、後方座席では煙草を吸い始めるといった光景が普通でした。当時、時々煙草を吸っていたので、前方の禁煙席に座りながら、煙草を吸うため後方の空席を見つけ移動するといったずるいことをした覚えがあります。
煙草のマナーは随分悪かったように思います。ポイ捨ても当たり前だし、職場でも自分の机での喫煙が普通でした。チェーンスモーカの先輩の机を開けると吸い殻が一杯でびっくりしたことがあります。車の運転も今より乱暴でした。クラクションやパッシングは普通で、直接怒鳴り合う光景も良く見ました。
日本人だけマナーがいいと思い、他国を見下している人はいませんか? つい30年ほど前までは、日本人のマナーはこの程度だったですよ。