パリの偽警官

同僚とパリへ出張へ行ったときです。ホテルで一服して、夕食を食べるため北駅の近くでうろうろしていました。突然、2人組の男から警察手帳らしきものを見せられました。ドラッグの捜査をしているが、先ほどすれ違った男と接触しただろうと言われました。身に覚えはありませんが、何故か財布を見せて欲しいということです。

私はとっさに財布は持っていないとウソをついてしまいましたが、同僚は自分の財布を見せました。何やら財布の臭いを嗅いでいます。私はその時点で、怪しいと確信して、同僚に「怪しいから注意しろ。自分は逃げるから」と日本語でしゃべりました。その警官風は、財布について詳しい調査が必要なので、同行して欲しいと路地に誘ってきました。その瞬間、私は走り逃げました。同僚は「あー、おー!」と叫んで、私を追って走ってきましたが、2人組の警官風は追ってきませんでした。

その後、同僚からは、自分だけ逃げるつもりだったのかと責められましたが、財布が一旦、本人に戻った隙を狙い走り出したつもりです。この時は、同僚も事なきを得ましたが、この方法が最善だったかどうかはわかりません。もし、本当の私服刑事なら追って来たでしょうね。皆さんにお勧めできる方法かどうかはわかりませんが、他人の人目につくよう、大声で日本語でしゃべるのは、相手のペースを乱して、案外効果的であろうと思いました。

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