ナポリでスリ未遂

ナポリは治安が悪いと聞いていました。ナポリ中央駅に到着した途端、スリを見ました。ベンチに座っているおじさんの背後から近づいた若者が、バックから何かを取り逃げていきました。

さて、卵城からサンタルチア港や湾向こうのベスビオ山をながめ、中央駅まで市バスで戻った時です。2人組の男が乗り込み、我々の近くに立ちました。一人は40歳位の地元人風で、もう一人は30歳位のアフリカ風です。どちらも目つきが鋭く、暑くもないのに額に汗をかいて緊張している様子です。場所を移動したかったのですが、混雑しており動けません。私は肩から斜め掛けにしたポシェットをしっかり片手で抑え、警戒感MAXビームを発していました。

駅近くの停車場に近づいた時です。いきなり、アフリカ風男が突然妻に覆いかかるようにもたれました。私は何をするんだと日本語で言いましたが、ニヤついて降りていきました。続いて地元風男も降りていきます。やれやれと思った瞬間、ポシェットの前のファスナーが開いていることに気が付きました。びっくりしましたが、私のポシェットは山用で雨除けの為、二重になっており、さらに内側に貴重品を入れていたので、何も取られていませんでした。

相手はプロなのですね。一旦狙った獲物は、こちらがどれだけ警戒していようが、一瞬の隙をついて事を成し遂げるプロ意識と感心しました。

妻は大丈夫か確認しましたが、ポシェットを斜め掛けした上からジャケットを着て、前ボタンをしっかり閉めていたので、外観から貴重品が見えない状況で問題ありませんでした。最初から私だけを狙った作戦のようです。座席に座っていた若者は、何かとられたのかと聞いてきましたが、よくあることのようです。ポシェットの斜め掛けは、貴重品の在処がわかり、意外と危険ですので気を付けましょう。